編集長のイチ推シ 筆の里工房で筆づくり体験

筆の都・熊野町

 筆の全国生産の約8割以上を占めている広島県熊野町には「筆の博物館」として親しまれている「筆の里工房」があります。
 改修工事を終えて、2019年4月 にリニューアルオープン。遊びを通じて筆文化を体感できる「体験コーナー」が新設されました。見て・触って・作って・書いて・塗って、遊びながら体験することで、様々な種類の筆に触れて学べる、大人も子どもも楽しめるコンテンツが追加されました。
 長年筆作りをされてきた伝統工芸士さんの実演や貴重なお話、そして筆づくりは驚きと発見の連続でした。子ども達の学びと経験の場としてもいい機会となるのではないでしょうか。

筆の里工房

住所広島県安芸郡熊野町中溝5-17-1
電話082-855-3010
開館時間10:00~17:00 (入館は16:30まで)
定休日/休業日毎週月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
料金大人:600円(500円)
小中高生:250円(200円)
幼児:無
ホームページhttp://www.fude.or.jp
※カッコ内は20名以上の団体料金ホームページ

書筆のお手入れ方法

  • 穂ははじめ、糊で固めてあります。水やぬるま湯でよく糊を落としてから使い始めましょう。
  • 使用後の筆にはキャップはしないでください。穂が腐る等の原因になります。
  • 使い終えたら、水またはぬるま湯ですぐによく洗いましょう。穂を痛めることがあるので洗剤は使用しないでください。
  • 洗った後は、穂の形を整え、つるしてよく乾かします。

(筆の里工房パンフレットより)

体験コーナー

リニューアルで新たに新設され た「体験コーナー」。遊びながら筆にさわり、筆文化を体感できます。

刷り込み刷毛とパステル・ステンシルを使って紙に模様を色付けする「刷毛でスリスリ」や大型の水書板に大きな筆と水を使って書く「筆で水遊び」など、色々な体験コーナーがあります。

熊野筆セレクトショップ

ショップは入館口手前にあるので入館料金は不要です。ここでは約1500種の筆を試筆し、買い物が楽しめます。化粧筆もたくさん揃っています。筆選びに悩んだらスタッフの方が優しく教えてくださいます。

筆作り体験レポート

筆づくりの 12工程のうち「衣毛(上毛)巻き」と「仕上げ」の2つの工程を体験できます。
1週間前までに予約をすれば、筆の軸に名前を彫刻していただけます。
職人らしく作務衣を着て体験することもできます。

所要時間60分
受付時間10:00~15:30
参加費3,500円(入館料別) ※20名以上 500円割引
講師伝統工芸士
その他5名以上は要予約(7名以上は2週間前までに要予約)

その① 衣毛巻き

筆作りに使う道具。本格的です。伝統工芸士の赤翼剛さんに筆の作り方や熊野筆の歴史など、詳しく教えていただきました

まずは「衣毛巻き」。「半差し」という道具で上質な馬の衣毛を均一に広げます。なかなか難しい…

あらかじめ形が整えられた穂首の芯の周りに、均一に広げた衣毛を巻いていきます

その② 糸締め・くり込み

毛の根元を麻糸で結び焼きゴテを当 て、すばやく焼き締める「糸締め」、筆管に穂首をすえつける「くり込み」という工程。伝統工芸士さんのプロの技を間近で見ることができました

その③ 仕上げ

穂首に糊をたっぷりと含ませる「仕上げ」の作業。糊の入った器に筆を押し当て、筆に糊をたっぷり含ませていきます

たっぷり芯に糊を含ませた後、余分な糊を搾ります

筆を回転させながら穂先に巻きつけた糸を引っ張り、糸で搾るようにして筆の余分な糊を落とします

完成

名前が彫刻された世界に一本だけの筆が完成

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