わのわなばなし 大発見(池の藻の除去の方法)

 I(アイ)総代さんが元気な頃は、うちのお寺の池には鯉がたくさんいました。I総代さんが急逝されると、池の世話を出来る者がおらず、やがて鯉はいなくなりました。鯉のいなくなった池は、落ち葉や枯れ枝が入ったりして殺風景なものとなり、池をつぶしてしまおう、という話もありましたが、私は自然古池的な生き物の住み処になればいいなあ、と思っていました。

 まず、始めにメダカを入れてみました。それから、睡蓮を入れてみました。すると、メダカは赤ちゃんを生み、冬の寒さも乗り越えて越冬することもできました。睡蓮はすぐには咲きませんでしたが、2年目か3年目か忘れてしまいましたが、花を咲かせるようになりました。知らない間に、トノサマガエルやイモリが住み着き、池のそばにあるツツジにはモリアオガエルが泡の卵を生みにもきました。

いい感じになってきた所で悩みもありました。暖かくなると藻が大発生してしまうのです。時々、熊手のホウキで取ってやるのですが、すぐ増えてしまいます。ネットで調べても、人に聞いても、良い解決策は見つからず、どうしたものか考えあぐねていましたが、ある日、睡蓮の周りの藻が無くなっている事に気づきました。何日か前に、睡蓮の根元に土を入れてあげようと思い赤玉土を入れていました。もしや、と思い池中に残った赤玉土を入れてみました。すると、数日後には池から藻が無くなり、前は見えなかった、底にいるイモリが鮮明に見えるようになりました。偶然でしたが、思わぬうれしい大発見でした。藻でお困りの方は是非試してみてください。

それから、2ヶ月くらい経って、今は池縁に少し藻が復活してユラユラ揺らいでいます。そこにはオタマジャクシがうれしそうに群がっていました。藻を喜ぶものもいたんだな、と思いました。

                              (高田北組 敬覚寺 髙橋 俊道)

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